初雪メモリー[BL]
「起きたか」

「……おはよう」


俺の隣には起きるのを待っていたかのように海理がいて。

起床を確認するや否や、真っ先に俺にこう尋ねてきた。


「お前、何か考え事でもしていただろ?」

「は?」

「昨晩から僅かだが様子がおかしいと思ってな。抱く前に聞こうと思ったが、お前の身体見たら欲が抑えきれなかったから聞けなかったが……」


なあ、今凄くサラリと凄い事言わなかったか? 気のせいか? そうだよな。

気のせいだと思っておこう。だが、もう見抜くとは鋭い。

さすがは長か……って、感心している場合じゃない。今は隠さないと。


「気のせいだ。考えていたとしても、お前が思っている程やましい事でもないし」

「そうか。嘘だろと言いたいところだが、嫁の言葉も信じてやれないようではオレも駄目だからな」


……? 妙に素直な気もするが気にしないでおこう。それにしても、何が良いかな。海理への贈り物。
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