Stand by me
序章「始まりのはじまり」
─────高校2年 春
「柚菜の家の前って何が建つの?」
春休みの真っ最中、友達の美波があたしの家に来たときだった。
春休みの宿題を一緒にやろうってことになって、あたしはお茶を取りに行き、机に置くとき、美波に発せられた一言。
なぜだか、明確に覚えている。
「うーん、なんかよくわからないけど、心霊探偵ってやつの事務所みたい。」
「心霊探偵?何それ?」
あたしの言葉にポカーンと口をあける美波。
「あたしも詳しくはわからないんだけど、幽霊とかそう言うことに関して専門の探偵みたい。」
あははと笑いながら言うあたしを見て、美波もつられてあははと笑った。
この時は思いもしなかった。
まさかこの"心霊探偵"と関わる日が来るなんて……。。
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