愛してください、ヤンキー君
な、なんて間の悪い・・・。

と、思いつつ階段を駆け降りそっとドアをあける。

「よっ」
「「よっ」じゃないよ。心配してたんだからね・・・。」
「ごめん。スーパーに行ってて。」
「みればわかるけど・・・。まあ、あがって?」
「おじゃまします」

ガチャ。

「どーぞ。ここが私の部屋。何もないけど、と、とりあえず。すす、座って?」
「いい匂い。綾乃の匂いがする。」

ふわっ。うしろからそっと抱きしめられる。
動揺を隠すことができない性格を少し憾みながらも、そっと恭くんの顔をみあげる。

「・・・。」
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