革命劇愛
#昼休み
―とりあえず、時間がとんで昼休み。
「優奈ちゃーん。観月 優奈ちゃんはどの子ですかぁ?」
「宰…さん!?」
「本当に、来たのですか?」
「おぃ!どの子なの?」
「……一番後ろの窓側の席の奴です。」
「………優奈ちゃん!こんちはー。俺はA組の安藤 宰。よろしくね♪」
安藤 宰が、その子を見た瞬間固まってしまったのは、言うまでもない。
なぜなら、観月 優奈の外見は…ボサボサのセミロングにダッサイ黒縁眼鏡をかけて、手には本。更に、スカートが長くて靴下が中途半端な長さの白。
完璧、嫌われる要素大の女子である。(顔を除けば…な。)
「えっ…この子なのかぁ?」
「…そぅですょぉ。宰さんが、顔が良ければそれでいいって言ったじゃないか~!!」
「いいじゃん!この子チョー可愛いじゃん!!」
「は………はい?!!!!」
「ちょっと、ダサいかもしれないけど、またそこが可愛いじゃん!変わってて!ねぇ、優奈ちゃん!俺と付き合ってよ!良いだろ?な?」
「…ちょっと、待って下さい。宰さん…いくらなんでも、コイツは…やめといた方が、」
「お前らは、黙ってろ!優奈ちゃん?本なんか読んでないでさ。俺と、遊ぼーよー。」
〔ドン、ガッシャーン!〕
「ぐぇっっ!!!」
観月 優奈が、机にへばりついていた安藤 宰を、机ごと前に思いっきり押し出したのだ。
胸をかなり強打して、うずくまっている安藤 宰を余所に、観月 優奈は、また何事も無かったかのように、本を持ってどこかに行こうとしている。
こういう時に、人間は不平等だと感じるのだろうか。
まあ、彼女にとっては仕方のない事だったが。