奥さんに、片想い
「おかしいわよ。それにちゃんと確認しなくちゃ、課長だってそこまで気が利くわけないじゃない。でも、釜飯の鯛飯だって美味しいって。ここが課長のオススメなら間違いないわよ」
「よーし、美味くなかったら課長に文句いわなくちゃ」
あの佐川課長に文句! 美味しいお店を教えたのに文句を言われる課長を思い浮かべただけでおかしい。
「俺、このセット頼む」
食べることに真剣勝負の顔。もう千夏も笑いながらメニューを指さしていた。
「じゃあ、私はこれ」
これだけ笑ってしまったら、独りよがりな腹立たしさも吹っ飛んでしまった。
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