Come back !! じいちゃん
すると、段ボールタワーの裏手の方に一匹の猫の人形が置いてあった。
 
一見英国紳士風の姿をした気品ある人形。
 
「ミリー、お前この人形を狙ってたのか?」
 
目の前にいる人形の淡く光る眼はどことなく紳士を匂わせる。
 
「そいつは、18世紀最後の魔術師と言われたガレリオ伯爵の最高傑作じゃよ。」
 
声が。
 
「…?」
 
あの声はじいちゃん?
 
「…。」
 
周囲を見渡しても誰もいない。
 
「父さ~ん?呼んだ~?」
 
僕は後ろを振り返り声の主を探した。

返事はない。
 
首をまた、前に戻し、人形の方を見ると人形と目があった。
 
「まさか…ね?」
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