Come back !! じいちゃん

「じいちゃん、もしかしてさ。成仏してないの？」
　
少しだけ、不安がよぎる。
　
「成仏したぞ。だがな。ひとつだけしなければいけないことを思い出してな。」
　
「しなければいけないこと？」
　
「そりゃ秘密じゃ～。」
　
そう言うとじいちゃんは高らかに笑った。
　
「で、どこに行くのさ？」

僕の質問にじいちゃんは少し黙って答えた。
　
「お前の普段の一日を見せてくれぃ。」
　
と。
　
「普段の一日？そんなのでいいの？それだったら明日ならさ～。」
　
「いや、明日はだめなんじゃ。」
　
「ダメって？幽霊に予定なんてあるの？」
　
「ま、いろいろじゃな。さぁ、行くぞ！」
　
「ふ～ん？でもさ、ほら葬儀のあと片付け中だし黙って出て行くとまずいと思うんだけど。」
　
「そうか。そうか。お前は、わしの言うことを聞いてくれると思うとったのに…。あぁ昔は可愛かったのう。じいちゃんじいちゃん…って。」
　
「分かった。わかったから、そのネタやめて！」
　
「よ～し、張り切って陽一の一日に出発！」
　
はぁ、気が重い。