あの子の恋人


朝礼が終わると
一番仲の良い里香が私を呼んだ。


「くるみーお客さん来てるよ。」



「はーい」





ドアの前に行くと
そこには、谷口くんが立っていた。




「あ、松崎。こないだ言ってたCD持ってきてたんだけど」




「え、やったー!嬉しいっ」




受け取ろうとすると、
谷口はひょいとCDを上にあげる。




「俺に言うことないの?」


私はにこっと笑って




「あ、り、が、とっ」




って言ってやった。


谷口は私のほっぺをつねって去っていった。


「いたいなーもー。」



大していたくもないけど
谷口に聞こえるように言っておいた。
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