夜光虫
「陽菜は子供欲しくないの?」


「えっ・・・?」


母が何を言いたいのか分からなかった。


「保育士になったんだもの。欲しくないわけないわよね。日本じゃ精子バンクなんて無いんじゃない?」


「いや、果歩から聞いたんだけど、日本にもあるみたいだよ」


「へぇ~、でも外国人との子供の方が可愛いんじゃない?」


何を言っているんだろう、この人は?


母は昔から、男とか女とかにこだわらない革新的な性格だった。


「果歩ちゃんに男兄弟はいるの?」


「うん。お兄さんが一人いるらしいよ」


「じゃあ、その人から貰えばいいじゃない。その人は結婚してる?」


「うん。子供もいるらしいよ」
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