夜光虫
高校に入って進路を決める頃、ウチにはやりたいことが無かった。


大学に行くのもお金が要る。


ウチのおかんは縫製工場で働いていて、学費やアパートの家賃も払ってるのにこれ以上無理は言えんかった。


やりたいことも無いし、とりあえず働こうと思った。


どうせなら自分を100%生かせる仕事がいい。


ウチの他の人より秀でているもの、それは“美貌”ー。


これを生かすっきゃないでしょ!


ウチは高校卒業後、ミナミのキャバクラで面接を受け、仕事を決めた。


そして最初はお金が無いので家具、ベッド付きのアパートで暮らすことにした。


実家からミナミは離れているし、早くおかんを楽にさせてあげたかったから。


こうしてウチはキャバクラのホステスになった。
< 124 / 223 >

この作品をシェア

pagetop