夜光虫
次の日から極力美宇に残業させないように心掛けた。
二人きりになった時、美宇が言った。
「宮野課長、そんなに気にしないで下さい」
「誰だってあんなこと言われたら気になるわ。あれから痴漢は減ったの?」
「いえ、まだ多いみたいです」
「え~、引っ越せばいいのに」
「そんなお金ありませんよ」
美宇は寂しそうに笑った。
それでも美宇にどうしても残業してもらわなければならない日があった。
それはクリスマスイヴだった。
去年のクリスマスイヴは金曜日で、来週の月曜日が新商品のプレゼンの日だったので、どうしても今日までに資料をまとめなければいけなかったのだ。
二人きりになった時、美宇が言った。
「宮野課長、そんなに気にしないで下さい」
「誰だってあんなこと言われたら気になるわ。あれから痴漢は減ったの?」
「いえ、まだ多いみたいです」
「え~、引っ越せばいいのに」
「そんなお金ありませんよ」
美宇は寂しそうに笑った。
それでも美宇にどうしても残業してもらわなければならない日があった。
それはクリスマスイヴだった。
去年のクリスマスイヴは金曜日で、来週の月曜日が新商品のプレゼンの日だったので、どうしても今日までに資料をまとめなければいけなかったのだ。