夜光虫
大学に入った娘はサークルには入らず、バイトに勤しんでいた。


デパートの中にあるアイスクリーム屋さんで働いているそうだ。


栞は大学二年生になり、20歳になった。


その頃から夜遊びが増えて、朝帰りも多くなった。


私は今までがいい子過ぎたから、今になってその反動が出たのかもしれないと思っていた。


大学にはきちんと通っているし、単位も納めているようだった。


私は栞を信用していたのでそれほど心配もしていなかった。


そんな栞からある日こう言われた。


「ママ、話があるの」


栞が平日大学から帰ってきた時のことだった。


その目があまりにも真剣で、一体何事かと思った。
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