夜光虫
「そっか・・・。宮野課長の周りのオトコは見る目が無いんですね」


そう言って美宇は私の顔を覗き込んだ。


安いホストが言いそうな台詞だけど、美宇が言うと優しく聞こえた。


美宇にお風呂に入るように促すと、「ほんとすいません・・・」と頭を下げた。


低姿勢なのも美宇の好感が持てる所だった。


24時を過ぎ、二人でベッドに入った。


ダブルベッドなので二人でも余裕だった。


いつ男を連れ込んでもいいように、ダブルベッドを用意しておくのは30過ぎの独身女のたしなみだった。


ワインのせいか美宇はすぐに眠りに落ちていった。


私は顔にかかった髪を払ってやった。


若くて肌がピチピチしていて羨ましかった。
< 22 / 223 >

この作品をシェア

pagetop