夜光虫
それからは美宇が残業すると家に泊まらせることが多くなっていった。


やはり痴漢が多い所に夜遅く帰らせるのは抵抗があったからだ。


美宇は家に泊まると家事を手伝ってくれた。


が、包丁を握らせると危なっかしいので料理はとても任せられなかった。


今までは一体どうしていたのだろう?


とにかく不器用なのだ。


だからとりあえずお風呂掃除をお願いした。


それでも仕事で疲れた私に少しでも楽をさせたいと、少しずつ頑張り料理を上達させた。


その姿がいじらしかった。


そうして美宇は1週間の半分は私のマンションで過ごすようになっていった。
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