夜光虫
その夜がきっかけで私達は付き合うことになった。


週末になると美宇がマンションに引っ越してきた。


付き合うことになったし、物騒な所に住むよりはと同棲することにしたのだ。


まぁ、これまでも半同棲状態だったけど。


美宇は私と同棲する際にそのことを親に報告した。


もちろん付き合っていることは内緒にして。


若い女の子だし、前のアパートを引き払ったのだから当然のことだと思った。


美宇の親もアパートの近くで痴漢が多発していることを知っていたので、家に引っ越したことをとても喜んでいた。


わざわざ山形から挨拶に来てくれて、お土産まで頂いてしまった。


美宇は私が同じ会社の上司で同郷だということまで話していた。


同郷だということは何だか照れ臭かった。
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