夜光虫
それでも同棲していたということもあり、美宇といると居心地が良くてそのままずるずると時が過ぎた。


いつかは別れなければならないことは分かっていた。


次第に若い美宇の未来まで潰しているんじゃないかと思うようになった。


でも、美宇はそう思ってはいなかったようだ。


それは私と美宇が同棲を始めて1年が経った時だった。


「同棲して1年経ったから、親に雫と付き合ってること話したの」


美宇の神経を疑った。


だって私達の親は同郷に住んでいるのである。


それを聞いた美宇の親がうちの親に文句を言ってくることだって十分有り得るのだ。


「何でそんなこと、私に断りもなく勝手に言ったのよ!」


私は目の前が真っ暗になった。
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