夜光虫
「ふ~ん、誰かいい人はいないの?」


「いないみたい」


「結構美人なのに残念だね~」


確かにこんなことを毎回言われていたら、雫が帰省したくなくなるのも分かる気がする・・・。


私は雫が可哀想になってきた。


それに雫がいれば、私の人生が逆転出来るような気がした。


雫は私の持っていないものを全て持っている。


私のツイてない人生も雫と一緒にいれば生まれ変われると思った。


そして今がその時なんじゃないかと思った。


「お母さん・・・」


「何だい、美宇?」


「実は私、今付き合ってる人がいるの・・・」
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