夜光虫
正月明け実家から帰った私は、雫にお土産を渡してこう切り出した。


「同棲して1年経ったから、親に雫と付き合ってること話したの」


雫の表情が一瞬で変わったのが分かった。


「何でそんなこと、私に断りもなく勝手に言ったのよ!」


いきなり怒鳴られた。


私は賭けに負けたのだ。


確かに私達の親は同郷に住んでいるから、100%話さないという確証は無い。


一人娘の私を心配すれば尚のことだった。


「ごめんなさい」


と謝ったところで口から出た言葉が戻るわけでもない。


「今更謝られたって遅いわよ!」
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