ロボット少女
俺は、訳がわからなくて、一人で堤防に座っていたら…
「よお!!」
なんて、ぎこちない笑顔で話しかけてくるカズが居た。
隣にすっと、座ると
こう続けた―…
「さっきは、ごめんな?けど、どうしたんだよ。いったい…
転入初日に怒鳴って、泣いて、何があった?
俺に話して?」
ただ、クラスのみんなに申し訳なく思った。
「ごめんな…カズ、それにクラスのみんなも。なんかさ、ちょっと嫌なこと思い出して、つい…。ごめん!俺もなんか、わかんないけど急に、怒鳴ったり泣いたりしちゃって…。」
と、伝えた。
すると、思いがけない言葉をカズは発した。
「同情なら止めてやれ。佐藤が可哀想だ。お前にも何の過去があったか知らないけど、同情ならやめろ。そんなのただの偽善者だ。俺も佐藤がなぜ、ああなったかは知らないけど、母親が死んでから―いや、間藤と喧嘩してから―のどちらかだ。」
俺は、びっくりした。
佐藤とは、あいつのことだろう。
母親が死んでしまったのか。
でも、一つ大きく心に引っ掛かる言葉を聞いた。
「なぁ、カズ。間藤って間藤美優…?」
恐る恐る聞いた。
「ぁあ。そうだよ?知ってんの?つい最近、また引っ越したんだ。隣町に。だから中学からは、佐藤とは別々だよ。」
美優とはまた、会えないのか。
なんて、一人落ち込んでいた。
ニヤニヤとした顔でカズが聞いてきた。
「なあ、お前と佐藤ってどんな関係なの?なんで、間藤を知ってんの?」
そりゃそうか。
俺はとりあえず
「佐藤は、なんだか辛そうな顔をしていたから、なんでだろうと思っただけだ。怒鳴ったのは…昔の俺みたいで、なんだか虚しくて…。」
「そっか…」
カズは、その“昔の俺”に触れてこなかった。
まあ、有り難いけど――。