【短編】或るOLの憂鬱~セクシャルハラスメント
突然、突拍子もないことを言われて戸惑ったわたしは、慌てて笑顔を作り、
「またまたぁ。何も出ませんよ」
と、なんとかごまかした。
「いや、本当にかわいい」
そう言うと、主任はさらにわたしに一歩近寄った。
さっきまでの爽やかな笑顔は消え、少し目が怖い、と思った瞬間、わたしはどんっと背中を本棚に押し付けられていた。
両肩を掴まれて身動きが取れない。
意外に強い力に、固唾を飲んだ。
わたしは何が起こったのか、理解できずにいた。
ようやく、少しずつ状況が理解できてくると、喉の奥から恐怖が込み上げてきた。
そして、おそるおそる顔を上げ、主任の顔を見ると、彼は口元だけで薄く笑みを浮かべ。