かよちゃん。
高校三年生
校門から道沿いに揃って並ぶ桜の木からは、
惜し気もなく小さな花が散って
私の歩く道は一面ピンク色に染まっている。
高校三年生―…
ついに私も最上級生だ
新しいクラスは、仲の良い子と一緒になれたらいいのだけど…
そればかりが、頭をよぎって、クラス発表を見るのが楽しみではあるが、少し憂鬱だ。
「かよ!!」
少し強い勢いで肩を叩かれ、驚いて後ろを振り向く
『わっ…ま、舞!』
友人の、原田 舞 だ
彼女は、とても社交的で、男女共に友人が多い
何故か2年の頃に彼女が私に興味をもったらしく、仲良くなったのだが、話してみたら意外と話が合うということに気付き、今では腹を割って話せる大切な友人になっている。
「ボーっとなにやってんの、クラスは?見た?」
『や…、なんか怖くて、怖気付いた。』
「でも、行かないと仕方ないでしょ。ほら、行くよ」
「あ」
左手首をぐい、と引っ張られる。
…舞は本当にしっかり者だ、いつも助けられてばかりで、少し申し訳なく思う。
次からはしっかりしよう。と何回目か分からない決意をして、少し人が集まりだした掲示板に向かった。