かよちゃん。

3-2

ガラリと少し立て付けの悪いドアを舞が開ける。


パッと騒がしい教室内を見渡し

「んー、結構知ってる子多いなぁ。それより、男子の比率多くない?」

『え?』

遅れて私も教室を見渡す。
ああ…、本当だ

「まぁ、女子の数少ないからねー、仕方ないかぁ。ちょっとごめんねー」

そう言うと、舞はさっさと男子が集まっている場所へ向かい、何かを確認して戻ってきた。

「かよ、あんたあそこ。前と窓側から見て2番目」



どうやら、席を見てきてくれたらしい。男の人が少し苦手な私にとって、あそこに突っ込んで見に行く事が難しいということを察してくれたのだろう。

…本当に頼りになるというかなんというか、頼もしいかぎりである

『ありがとう!』

「ん、あたしあそこだから、離れちゃったね」

舞の指す方向を見ると、廊下側の一番後ろだった

『ああー…』

舞と私の位置から見ると、どうやら席順は番号順ではないらしい。

「まあ、いい席だけどさー…、バラバラなんて変わってんね」

舞も同じ事を考えたのかぼそりと呟いた

『そうだねー、「は」窓側が多いしね、私は真ん中が多いけど』

「どっちにしても離れるじゃんー」

『うん…』

正直、舞が近くにいなくて、とても心細い。
女の子とは仲良く話せるが、男の子と話すのは本当に苦手だ。焦ってしまう
いつもは舞といるから、舞が受け流してくれるが、席が、新しい環境の中1人で頑張らなくてはいけなくなってしまった。

不安で胸がいっぱいになる
「まゆげ」

突然舞にグッと眉間を押さえられる

『う、あっ!』

「下がってるぞ、何…まだ苦手なの?」

舞は私の考えていることを当てるのが上手だ。

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