かよちゃん。
『う、うん…、ちょっと男の子は苦手で…』

ぱちんとおでこを弾かれる
『い゙っ…!!?』

「バカ!そんな堅くなるからダメなの!女の子とは話せるんだから、いつもの感じでいけば大丈夫!
新しいクラスになったんだし、偶然にも男子が多い。この機会に男嫌い直しなさい!」

『あの…いや、女の子とは雰囲気が違うし、嫌いじゃないんだけど、ね
少し…苦手というか』

「あのねぇ、男子も!にんげん!女子も、にんげん!!!同じなの!!それこそ、男女差別よ?
それに…、苦手も嫌いも話せないんならどっちも同じよ!!」

『さ…差別なんて…!してないよ!!』

「んじゃあ、話してみなさい!!」

『うっ…』

じり、と舞が詰め寄ってくる。
耐えかねた私が目を逸らすと

軽くため息をついた舞が静かに話しだした

「ねぇ、かよ。男の人が怖いかもしれない、苦手かもしれない。
けどね、ずっとこのままじゃいられないんだよ?いつか克服しなきゃ。かよと仲良くなりたいと思う人、きっといると思うよ?そんな時かよが、苦手だってさけたら、その人すごい傷付くんだよ。男とか女とかそういう括りとっぱらってさ、一回その人の人格を見てみなよ、いい人沢山いると思うよ?やるだけ、やってみたらどうかな」

舞の真っ直ぐな目がこちらを見つめる

ああ、舞は心配してくれてるんだ。

目をそらせない

『舞…』

舞の気持ちに答えたい

『うん…、頑張ってみる』
「かよ…!」

舞の表情が明るくなる

『ありがとね、舞』

「ううん、よかった。…ま、あたしも何かあったら助けるからさ。…いつでも頼ってよ!」

自分のことみたいに嬉しそうに笑ってくれる舞を見て、つられて笑った


『うんっ!』


新しいクラスは、私にとって最大の難関である

男の子と仲良くなる

という前途多難な新しい目標ができた。

頑張るだけ、頑張ってみよう
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