かよちゃん。

いやいや、私じゃないかもしれないし、これはどうすればいいの!?

「ねぇ、おーい!」

意を決して、右を見ると、人懐っこそうな笑顔をした、派手な男の子が此方を見ていた

「あ、やっとこっちむいたー!」

どうしようどうしようどうしよう、私の固く閉じられている手はもう汗でべしょべしょだ。

れっ…冷静を装わなきゃ!!
とりあえず、ぺこりと会釈してみる

すると、男の子はブッと吹き出し、笑いだした

「警戒しすぎー!」

『えぇっ!!』

思わず声がでてしまった
いや、それより、バレたのか!?そんなに顔にでてる!?
「そんなに、焦らないでよー」

すっ、と男の子の手が私に伸びてくる

予想外の展開に頭が回らない

え、え!ちょ、え!?

思わず身を引こうとした瞬間

バシッ

っと乾いた音がした
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