最後の恋
放課後あたしたちは
星也の家に行くことが
日課だった。



あたしは両親共働きだったから
鍵っ子だった。



あたしたち家族は父親に
捨てられた。



仕事せず遊びほうけて
挙句の果てに女つくって
家には帰って来ず
帰って来たと思ったら
母親が稼いだお金を
取ってまた遊びに行く。



ホント最低な父親だった。



今は籍も入れてない男と
母親と妹と暮らしてる。



寂しかったし家になんか
いたくなかった。



お姉ちゃんだし
わがまま一つ言わなかった



…言わなかったんじゃない。



言えなかったんだ。



「お前ら毎日何で
俺ん家に当たり前のように
きてんの?」



「何でって…




暇だし」



佳奈が笑顔で答えた。




「「「お邪魔しまーす」」」
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