†穢れなき小鳥の殺し方†
勿論、俺は一番下っ端。
連れて行かれた『家』って言うのは、新人ホストの下宿みたいなところ。
部屋だって何人かでシェア。
いや、シェアなんてかっこいいもんじゃない。
とにかく上下関係の厳しいところで一日でも早く入れば上。
入ってすぐ、この部屋の便所掃除は自動的に俺になった。
一緒に住んでるからって仲間意識は薄い。
どちらかと言うとライバル。
誰もがこんな生活から抜けたいから。
夕方から支度を始めて我先にと街に出る。
キャッチは違法だと言われても、新人の俺たちにはほかに客を捕まえるすべがない。
だから黒服では無くて普段着でナンパを装う。
暇そうで軽そうでお金持ってそうな女に声かけて、
「俺、今から仕事なんだよね。ちょっと寄ってみない?」
それから店に誘う。