†穢れなき小鳥の殺し方†

俺はソファに座りテレビをつけて――


「昼か・・・・・・」


昼になったことに気がついた。

珍しく朝から起きてるから微妙に腹減ったな。

カチャッと開けられる風呂場のドアからは、頭に泡を乗っけた和歌の姿。


「おい」

「はっ、はい!」

「泡」

「えっ?」

「鏡見ろ」

「――あ」


やっと気付いてタオルで泡を拭う。


「おい」

「・・・・・・まだついてます?」

「メシ」

「めし?」


馬鹿みたいに繰り返す和歌に俺はソファに寝転がり「そう」と答えた。


「昼飯作れって言ってんの」

「・・・・・・はぁ」

「家政婦だろ?そこにあるもんなんでも使っていいから」


俺の声に和歌はキッチンへ。

冷蔵庫を開けて――


「あの・・・・・・」

「なに」

「ビールしか入ってませんけど」

「・・・・・・」


言われてみれば、日々コンビニの世話になってるから和歌の言う通りで。

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