†穢れなき小鳥の殺し方†
叶 和香
電話
次の日も、その次の日も和香はやってきた。
「コーヒー、置いておきますね」
「・・・・・・」
何も言わなくても置かれるコーヒー。
勿論、味は普通。
何も言わず口をつける俺を見て、和香はいつも胸をなでおろすように小さく息を吐いてた。
それから掃除も配管を詰まらせたり、水を頭から被ることも無くなっていった。
って、当たり前なんだけどな。
俺が「買って来い」と言えばコンビにまで走り、
スーツを投げ捨ててベッドに倒れこめば、それを拾いハンガーに。
こんな状況でも俺は、
『満足』なんてしなかった。