†穢れなき小鳥の殺し方†

土曜日。

昼飯を食ってるとき鳴り始めたのは俺の携帯。

その着メロは間違いなく『客』だから、俺は携帯を手にした。

液晶に映る名前を見て――


俺は目を細めた。


「・・・・・・あの、出ないんですか?」


止まった俺を不思議に思っただろう。

和香の声に俺はニィッと口の端を上げた。


「出ていいわけ?」


そういいながら俺は携帯の液晶を和香に向けた。


「――っ」


驚きに大きく開かれる瞳。

液晶には『叶 遙香』の文字。


いいね、

そういう顔が見たかった。


「出ようか?」


もう一度そう言うと和香は大きく首を振った。

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