†穢れなき小鳥の殺し方†

ヒステリックな遙香の声に思わず笑い声が吹き出そうになった。


「ママ、お願いだからもう・・・・・・」

『何でアンタがっ!どこに居るの!?』

「聞いて、ママ」

『どこに居るのって聞いてるのよっ!!』

「ママ・・・・・・」

『何で――、和香っ!!』


色素の薄い瞳は悲しみに溺れて、

一筋の涙を流す。

可哀想に。

遙香は『母親』よりも『女』だ。

たとえ相手が自分の血を分けた女でも――。


静かに涙を流す和香の手にある携帯からヒステリックな声は止まらない。

震える和香の手から携帯を奪うのは簡単だった。


『和香っ!何とか言ったら――』

「遙香」


俺の声に、やっと雑音が止んだ。

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