†穢れなき小鳥の殺し方†
夕方と呼ぶには少し早い時間。
来客を告げるチャイムが鳴る。
いや、『客』じゃなくて『家政婦』だ。
ドアを開ければ、
「・・・・・・こんにちわ」
俯いたままの和香。
彼女はいつもと同じように制服で。
少し違うのは、その顔に薄く化粧がされていたこと。
「入れば」
俺の声にコクンと頷いて部屋の中に。
カバンを隅においてジャケットを脱ぐ。
「あの、コーヒー入れますね」
化粧の意味はすぐに分かった。
その化粧をしていても、彼女の口の端は少し赤くなっていたから。
「どうぞ」
コトリと置かれるコーヒー。
俺はすぐにそれを口に運ぶ。
いつものコーヒーだった。