†穢れなき小鳥の殺し方†
俺の携帯が鳴ると和香は異常なまでに細い体をビクつかせた。
相手はホスト仲間からだったり客からだったり、
遙香からだったり――。
「どうしようか?」
俺の声に和香はフルフルと首を振る。
「じゃ、出れば?」
「・・・・・・」
「出ないなら俺が出るけど?」
そう言うと和香は一度ギュッと手を握って「・・・・・・出ます」と携帯に手を伸ばした。
震える指が通話ボタンを押す。
『ショウ?』
聞こえてくるのは遙香のヒステリックな声に震える和歌の肩。
いつまでも和香が答えないでいると、
『・・・・・・和香?』
低い遙香の声が聞こえた。
『ショウに代わりなさいよっ!』
ヒートアップした遙香の声。
和香はただ「ごめんなさい、ママ」と繰り返すだけだった。