†穢れなき小鳥の殺し方†

「あの・・・・・・」

「――あぁ、なに?」


面白くも無いテレビを見ながらボーっとしてた。

声をかけてきた和香は不思議そうに俺を見てて、


「なんだよ」


そう言うと、また「あの」と繰り返しその視線は時計に――。


「はっ!?」


7時前!?

ヤバイ!マジでヤバイ!!

同伴の約束って8時だったよな!?

俺はソファから飛び跳ねて支度を始めた。

ただでさえ最近同伴やってねぇし、客減ってるし、これ以上やらかしたらマジでヤバイ!!

なのに、


「あの」

「んだよっ!!」

「あ、えと、夜は雨って天気予報が」

「だからなんだ!?」

「い、いえ、洗濯物、お部屋の中に入れたほうが――」

「好きにしろ!!」


それどころじゃねぇんだよ!!

髪をワックスで整えて、あぁ、今日の客から貰ったリングもつけとかなきゃな。

後は――

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