†穢れなき小鳥の殺し方†

「携帯!」

「はい?」

「携帯どこやった!?」

「えっ?あたしは――」


さっきまで俺の手にあったはずだ。

どこへ――


「いいからお前も探せよっ!!」

「――は、はいっ!!」


テーブルの上に下にも無い、ソファーの下にも。

どこだよ!?

和香はソファのクッションを持ち上げて――、


「ありました!」


俺は和香が手にした携帯をもぎ取ってポケットの中に突っ込んだ。

そのまま家を出ようとして、


「あ、あのっ」

「んだよっ!」

「洗濯物は――」

「好きにしろっ!」


馬鹿かっ!?

こっちはそれどころじゃないんだよ!


俺は家を飛び出した。

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