†穢れなき小鳥の殺し方†
「・・・・・・すみません」
謝られるようなことでもない。
「なんで電気つけてねぇの?」
「あ、えと、なんとなく」
部屋の中は真っ暗、
しかも暖房もついてなくて、
「暖房くらいつければ?」
「あ、はい。今、つけます」
ストールのように巻いていたマフラーを脱いで和香は立ち上がった。
ってか、そうじゃなくて。
「なんでいるなら電気つけねぇんだよ」
「えっ?」
エアコンのスイッチを入れて振り返る彼女。
揺れる髪の隙間から見える耳は寒さで真っ赤だ。
「・・・・・・あたし一人だし、電気代いるし」
和香はそう言って、吹き出てくるエアコンの風に目を細めた。