†穢れなき小鳥の殺し方†

女の金切り声のような音が俺の頭を支配する。


今、なんて言った?



「・・・・・・生きて?」


小さく繰り返す俺の声に和香の身体がビクリと揺れる。

ガラスを零した手は、言葉を紡いだ唇をゆっくりと塞いだ。


「どういう――」


意味だ?


『生きてるだけ――』


生きてるだけマシ?

そう言うことか?


『生きて――』



そう、いうこと・・・・・・。


「――知って、たのか?」


俺が『誰』なのか、

俺の両親が死んだことも、

なんで死んだのかも、


どうしてこんなことをしてるのかも――。

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