†穢れなき小鳥の殺し方†
罠
次の日から俺は営業が始まった。
貰った名刺にはご丁寧に携帯のメールアドレスもあったから。
とりあえずはお礼のメールから。
これに返信は期待しない。
向こうも社交辞令だって知ってるだろうから。
だから、週末にまたメールする。
あと、イベントのときとか、
加奈子さんが一人で来た時――。
「ご指名、ありがとうございます」
俺はニッコリ笑って彼女を迎える。
「加奈子も来てるって」
「えぇ、もう翼さんたちと盛り上がってますよ」
それから同じテーブルに。
売り上げが翼さんに付けられて構わない。
俺の目的は『金』じゃないから。