†穢れなき小鳥の殺し方†
「遅いじゃない」
遙香の待つテーブルへ。
「仕方ないだろ?ゴールド入れてもらって『はい、じゃあね』なんて出来るわけねぇだろ」
そういいながら彼女の隣へドカッと座った。
少し不機嫌な俺の声に遙香は顔を不安げに歪ませた。
「――仕方、ないわね」
なんていいながらも彼女のメッキはすっかり剥がれてる。
俺はヘルプのヤツに目配せをして席を外させた。
「悪かった」
俺の声に首を振る。
「仕事って分かってるから」
「そうだな、仕事だけど――」
そう口にしながら彼女の手をそっと握ってやる。
可哀想に。
手を震わせちゃってさ。
「俺が遙香を必要なのは仕事のためだけじゃないから」
心からの台詞。
嬉しそうに頬を赤らめる彼女。
そして、
「ゴールド、入れちゃおうか?そしたら、ずっとここに居てくれる?」
その遙香の台詞に
俺はこの上ない笑みを見せてやった。