†穢れなき小鳥の殺し方†
「ショウ、この間はありがとう。これ・・・・・・」
そう言って遥香が封筒を俺に差し出す。
俺はニッコリ笑って、
「いつでもよかったのに」
と言ってやる。
だってまた店に呼ぶ口実ができるだろう?
「じゃ、行こうか?」
封筒を内ポケットに入れながら立ち上がる俺に、
「あ、今日は――」
とためらいがちに声を上げ、遥香は立ち上がらない。
それじゃ俺が困るんだよ。
だから、
「いいから。今日は俺の奢り」
「えっ?」
「遥香と一緒に飲みたい気分なんだけどな?」
そう言って優しく微笑んでやれば、
それだけでこわばってた遥香の表情なんて簡単に和らいでいく。
「なら、少しだけ」
馬鹿な女。