†穢れなき小鳥の殺し方†



俺の前でタクシーが止まりドアが開く。


「・・・・・・どうすんの?」


俺の冷ややかな声に遥香はまたびくりと身体を揺らした。


「ママ、帰ろう?」


今にも泣いてしまいそうな瞳に俺は映っていない。

彼女の細い指が遥香にのばされて――。


「なっ、なんでこんなところに!?」

「いいから、帰ろう?」


遥香はその手をはらった。


「――か、帰りなさい!大体、塾の時間でしょう!?」

「ママッ!!」


和香の声に背を向けてタクシーに乗り込む遥香。


「ショウ、早く!」


タクシーの中から呼ばれて・・・・・・。
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