†穢れなき小鳥の殺し方†
走るタクシーの中の雰囲気は最悪。
いや、最高、かな?
「いいのか?」
一度だけそう聞くと、
「いいの」
と俺の腕にすがる馬鹿女。
店でもいつも以上に飲んで、酔っぱらって。
俺は遥香をタクシーに詰め込んで、見送った。
遠くなっていくテールランプ。
それを眺めながら、
俺は笑った。
やっと『獲物』が見つかった。
今夜の飲み代は、
本当に奢ってやるよ――。
それっくらい、俺の気分は最高だった。