†穢れなき小鳥の殺し方†

そのままベッドに放り投げた。

もうそんなにがっつく必要は無い。

そんなことを思う自分に清々しささえ感じて、俺はフッと笑った。


気分がいい。

今日は一番いいスーツでも出そうか?

あぁ、靴も磨かないとな。

いつもは億劫な準備だって鼻歌交じりにやれそうだ。


濡れた髪を乾かしてワックスで決める。

くすんだ鏡に映る自分があまりにも楽しそうでやっぱり笑えた。

シャツを着て軽くオーデを。

それからスーツに袖を通した。


客に貰ったブランド物の腕時計に目をやる。

いつもより早いがまあいい。

俺は鍵を手にして家を出た。

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