†穢れなき小鳥の殺し方†
「今融資を打ち切られると会社がつぶれてしまうんです!ほんの少しでいい、お願いします!!」
俺の袖を掴んでた母親の手が離れて、
「お願いします!!」
親父と同じように頭を下げて叫んだ。
俺はそれを眺めることしか出来なくて・・・・・・。
「ちょっと、なにこれ。みっともないったら」
「ママ!そんなことっ」
「お前たちは車に乗ってなさい」
冷たい男の声。
遙香はフンッと鼻を鳴らして、
「行く前から気分悪いわね。さっさと終わらせて頂戴」
そう吐き捨てて両親を蔑むような視線を。
「ママ・・・・・・、そんな言い方」
和香は憐れむような瞳を向けながら車に。
そして、
「申し訳ないが時間がない。それに一度下した決定を覆すことも無い」
叶は吐き捨てるようにそう言うと車に乗り込んだ。