†穢れなき小鳥の殺し方†
生命保険はなんとか残していたらしく、その金で社員に未払いの給料を支払った。
借金もある程度返せたが、全部ってわけにはいかなかった。
親父は死んでお終いかもしれないが、残った俺たちは生きていかないといけない。
そして、生きてるだけで金が要る。
母親はパートに、
俺も学校に行きながらバイトを始めた。
本当は学校なんて辞めて働きたかったが、
「お父さんも言ってたでしょ?高校くらいは――」
そう言われて辞めることが出来なかった。
母親にしても今までうちの工場でしか働いたことがない。
もともと接客なんて向いてる性格じゃなくて・・・・・・、
俺の卒業を待たずに母親は過労で倒れ、
そのまま親父のところへ。
葬式は悲惨なものだった。