俺様王子の初恋
お別れ
「 ・・・あ、の・・っ!? 」
保健室の鍵を開けて
ズカズカと入ると
彼は私をソファに押し倒して
上に覆い被さってきた。
この体制は初めてじゃない。
初めてじゃないけど、
コロコロ変わる彼の表情と
力に戸惑ってしまう。
「 誰、アイツ 」
「 同じクラスの、佐野くんです・・ 」
「 仲良いわけ? 」
顔の横に置かれた彼の手、
不機嫌そうな顔。
いつもよりキツい口調。
”怖い”とは思う。
けど、それだけで私の意識は
全て彼に持っていかれる。