俺様王子の初恋
─────────けど・・・
「 お前はもう、俺から離れられないように
”俺が”したんだから、離れようなんて
無茶なこと考えてんじゃねーよ 」
”このバカが”
優しい言葉にも聞こえるけど
乱暴な言葉遣いのせいで
色々とぶち壊しだった。
正論のようで全く筋の通っていない
その言葉には、芯があって、
声とは真逆の、悲しそうな
顔をした先輩の顔を見た瞬間、
私の目からは涙が溢れ出した。
「 ・・・・先輩こそ、バカです 」
「 は?どの口が言ってんの、それ 」
涙で濡れた唇を先輩の指が拭って
先輩が少しずつ、近づいてきた。