俺様王子の初恋
そういうことに疎い私でも
それが”キス”だということに
気づくにはそんなに時間は
かからなくて、私もゆっくり
目を閉じた。
─────────ガチャッ
「 玄関で何シてんのよ 」
「 ”ナニ”だろ 」
「 アンタ達、二時間以上
遅刻しといて”ナニ”って・・ 」
大きな玄関のドアを開いた
一条先生が当たり前のように
家の中に入って、すぐに出てきた。
よく分からない会話を繰り広げて
「 乗っていきなさい 」
その言葉に、先輩が私の腕をひいて
家の前に止められた赤のスポーツカーに
乗り込んだ。