俺様王子の初恋
「 ・・・・で、お前何したんだよ 」
未だになんで一条先生があの家に
入ってきたのか分からないままの
私の隣で、ムスッとした先輩が
ミラー越しに先生を睨んだ。
「 いやぁ、昨日ちょっと酷いこと
したかなぁ?って思ったから
お詫びに・・・・ね? 」
「 何がお詫びなんだよ? 」
「 お風呂も入ってなかったみたいだし
私が隅々まで綺麗に洗って
寂しくて泣いてたアンタの隣に
放り込んでおいたのよ♪ 」
「 誰が寂しくて泣いてたって? 」
仲がいいのか、悪いのか。
とにかく、何でそんな簡単に
私は家から連れ出されてしまったんだろう。
「 あ、葵ちゃんのご両親には
ちゃんと言ってきたからね 」
「 あ、はい・・・ 」
なんとなく怖くて、”なんて言ったんですか”
とは聞けなかった。