俺様王子の初恋
「 まぁ、葵ちゃんは保健室に
いるだけでいいし、泰雅は
教室にいるだけでいいから
別に遅刻しても問題はないわね 」
先生らしくない言葉をかけた後
車は校門の前で止まって、
私たちはそろって車から降りた。
「 あ、の・・・!? 」
「 なに、嫌? 」
先に行こう、と歩き出した私の
手を先輩が繋ぎとめて、
驚いて振り向くと、先輩は
満足そうに私に笑いかけた。
「 ・・・・いえ、別に・・ 」
むしろ、握り返したいくらいに
この手が愛しい。
けど、周りからの視線が痛すぎて
そんなことはできなかった。