俺様王子の初恋
「 いい度胸してんなぁ?佐野 」
「 やっぱり居たんですね、先輩 」
ソファの背もたれに浅く腰掛けた彼は
私の肩を抱く佐野くんをキツく
睨みつけた。
「 入んなって言ったよな? 」
「 言われた気もしますね 」
「 ・・・入んなよ? 」
保健室のドアの前で、私と佐野くんは
立ち止まったまま、佐野くんを睨む
彼は私の目の前まで来ると、
私の肩を抱いていた佐野くんの腕を
乱暴に引き剥がした。
「 結果が出るまで、触らねーって
言ってなかったっけ? 」
「 ・・・さぁ?俺、記憶力なくて・・・ 」